分業ゆえのプロフェッショナル。

西陣産業の特異性は、分業にあります。様々な工程を経て出来上がる織物には、それぞれの作業に長年従事してきた職人さんたちの比類なき技術力と心意気も織り込まれています。

職人さんのお話とお仕事ぶりを拝見したくて、最初に訪れたのは染屋さんです。

生糸についた汚れや油を取り除き、絹本来のしなやかさを引き出す(精練)。その後、紋意匠に合わせて色糸に手染めする「糸染」。それが、染屋さんのお仕事です。糸ひとつとってみても、原糸(げんし)、撚糸(ねんし)、精練(せいれん)、糸染、糸繰(いとくり)、整経(せいけい)、縦継(たてつぎ)、緯巻(うきまき)など、様々な手業が欠かせません。

西陣には昔からやわらかくていい地下水が出るため、染屋が多いと言います。

用途によって糸を使い分け、織屋から渡された色見本に合わせて染めていく。言葉にすれば簡単な作業のようですが、その色の“感じ”は職人さんの長年による経験と勘ありき。

10色ほどの染料から微妙な匙加減で作られる色は1万をも超えるそう。自然光のもとで丁寧に色を確認しながら、見本と同じ色に仕上げていく手業はさすがの一言。色の違いを見抜く確かな目と、それを再現する経験と技こそに、職人さんのプロフェッショナルを見ました。

己の領分を全うする。そして、それを次の工程に携わる人へと渡す。分業こそが、高いクオリティを維持し続けている秘訣なのかもしれません。

西陣connect with 地域の皆さん。
アートワークから織りとデザインを検討する。
京都市 × 博報堂 プロジェクト共同記者発表